ぶらり茨城
 『ぶらり茨城』は、いばらきを訪れた時の訪問記をつづっています。
 身近ないばらきの「今」を取り上げます。
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■ 常磐線 旧トンネル訪問 その3  ■
〜原見坂、大沢、天神沢、深谷沢、館ノ山トンネル
2003年5月3日(土)取材

〜あらすじ〜
 今回のトンネル訪問は3泊4日の長期スパン。その2日目です。
 向山トンネル、鞍掛山トンネルを攻略し、ますます乗ってきました。
 さあ、ここからさらに5つのトンネルを攻略するのですが・・・。



■久ノ浜駅再訪
 久ノ浜駅再訪。

 久ノ浜駅末続駅の間には、5つのトンネルがあります。
 久ノ浜側から「原見坂トンネル(273.10m)」「大沢トンネル(226.02m)」「天神沢トンネル(85.40m)」「深谷沢トンネル(172.00m)」「館ノ山トンネル(109.75m)」
 いずれも、常磐線電化される際に架線を張るための高さが足りず、泣く泣く廃棄した旧トンネルです。

【久ノ浜駅】
 前回来たときは強い雨風の中の到着でしたが、今日は大変天気が良いです(^^)。


【久ノ浜駅前】

【国道6号を北上】
 さて、駅前から再び国道6号を北上し、旧トンネル訪問を行ないます。  まもなく左手に原見坂トンネルが見えてくるはずです。


■原見坂トンネル
 久ノ浜駅を出て1km程度の位置に、原見坂トンネルがあります。

 国道6号から「現・原見坂トンネル」が見えるのですが、原見坂トンネルのほうは木々に覆われ確認することは困難です。いろいろな角度から見てみましたが、ベストショットが分かりません。国道はかなり高い位置にあり、封鎖されている階段を降りて確認することもできそうにありません・・・。よくよく見ると、旧線路位置水位が低いようで水溜り(沼のようにも見える)になっています。

 こういう時は無理をせずに、反対側から責めるくらいの気持ちでいなければなりません。

【線路跡が見える】
 橋上から久ノ浜駅方面を振り返ると、向かって左側に線路があったことが伺えます。


【原見坂トンネル】
 末続駅方面(仙台方面)に視線を向けると、左手に現・原見坂トンネルが見えます。右手にうっすらと見えるのが、廃棄された原見坂トンネルです。


【下に降りる封鎖された階段】

【水位が低い?】
 国道6号沿いに、原見坂トンネルに続くであろう階段があるのが確認できます。  しかし、こんもりとした木々の間から見えるのが水面。もしかしたら沼状態!?。


 国道側の原見坂トンネルをくぐり抜けます。

 国道右手に小道を見つけたので、そちらに渡り、進んでいきます。
 保守用の階段を見つけたので、登ってみるものの、トンネルらしきものは確認できず。さらに道を進むことにしました。

 レンガ調橋げたをくぐり、さらに進みます。再び国道6号に合流。金ヶ沢第1トンネルを通過。何故かインターチェンジがあったので、ちょっとだけ休憩します。

【国道の原見坂トンネル】
 無理をせずに先を進むことにしました。


【国道6号から外れる】

【保守用の階段】
 細い道を発見したので、そちらに進んでみます。こちら側に常磐線があるはず。  ここを上れば、原見坂トンネルが確認できるかも!?と思い、上ってみました。


【原見坂トンネルは見えなかった】

【レンガ長のアーチ】
 残念ながら、原見坂トンネルにアクセスするには、沼が見える階段からしかできないようです。  大変高さの低いアーチを見つけました。常磐線初期の頃からのもののようです。



【金ヶ沢第1トンネル】

【金ヶ沢第2トンネル】
 210m。再び国道6号に戻り、北上します。時間が心配なので急ぎます。  119m。第1、第2と連続してトンネルです。自転車をこぎながらの撮影なので、こんなカットに・・・。


【大沢休憩所】

【道路案内】
 高速道路並に、休憩所がありました。ちょっとばかり休ませていただきます・・・。  国道6号は東京中央区から仙台まで連なる長距離道路。超長距離ですから休憩所があるのもうなずけます。


■末続駅
 国道6号を北上していくと、末続駅の看板が出てきてしまいました・・・。5つあるはずのトンネルを、ひとつも見つけていないー。(原見坂トンネルはアクセスできていないので、見つけたことにしていません・・・)。
 田んぼのつらなる道に右折。末続駅に到着します。
 時間は14時になろうとしています。いったん末続駅で休憩+撮影。


【末続駅の看板】

【国道を右折する】
 国道6号沿いに末続駅を知らせる看板が現れました。  国道から右折し、田んぼ道とも思える細い道に入っていきます。


【末続駅は遠い】

【末続駅】
 国道からかなり入っていったところに末続駅があるので、ちょっと遠く感じます。  前回はここで旅が終わってしまいましたが、今回はこれから!。無人駅です。


 トンネルを探すため末続駅側から久ノ浜駅に戻るようにして南下していきます。

 保守用の坂道があったので、登ってみますがトンネルまでにはまだまだ遠いです。

 さらに道を進んでいきます。
 完全に住宅街に入ってしまいました・・・。くねくねと続く道を進んでいくと、枕木が積まれているのを発見。これは何かある!。そう確信していると、踏み切りに出ました。館の山踏切です。

【枕木が詰まれている】
 末続駅から久ノ浜駅方面に戻るようにして住宅街に入っていきます。


【くねくね続く道】

【館の山踏切】
 GPSで確認すると、こっちに常磐線の線路があるはずなのですが・・・。  小さい踏切を発見しました。現行名は“館の山”で、旧名は“館ノ山”なんですね。


■館ノ山トンネル(109.75m)
 右手には館ノ山トンネルがすぐそばにあります。
 左手には保守用の道がありますが、フェンスで進入できないように仕切られています。

 それならばと、右手の館ノ山トンネルに進んでいきます。館ノ山トンネルは109.75mとあまり長くありません。それでも砂利が厳しく、自転車をこぎながら進むのは困難なので、自転車を押しながら進みます。トンネルを抜けると、保守用の道路はすぐに終わってしまい、線路に吸収されるように行き止まりになってしまいます。遠くには末続駅のホームが小さく見えます。


【館ノ山トンネル(久ノ浜駅側)】
 館の山踏切のすぐ右手に、館ノ山トンネルがあります。109.75m。出口が見えます。


【「館山ずい道」の文字】

【トンネル内部】
 館ノ山トンネルの久ノ浜駅側にはセメント地に彫られた文字があります。  側面部分には白くなったレンガが見えます。上部はセメントでカバーされています。


【館ノ山トンネルを出る】

【館ノ山トンネル(末続駅側)】
 旧線跡は現行線路に吸収されていきます。写真では分からないですが、遠くに末続駅ホームがあります。  こちらのほうが木々に囲まれ、こんもりとした印象を受けます。


 再び今通ってきた館ノ山トンネルを戻り、金網のフェンスを前に考えます。
 金網があるってことは、進入禁止だからです。
 この金網の先には、大沢、天神沢、深谷沢
 行きたくても行ってはならないジレンマ。後ろめたさからか、電車が通過するため踏み切りが鳴ったのですが、つい隠れてしまいました(^^;)。


【問題の金網】

【踏切が鳴る】
 館の山踏切の左手にある金網。進入禁止だから金網があるのです。  後ろめたい気持ちからか、踏切が鳴ったときに逃げるように隠れてしまいました(^^;)。


 気がつけば、金網自転車で通り抜けています。
 保守用の道路は砂利が少なく、たいへん走りやすいです。深谷沢トンネルまでかなりの距離がありましたが、自転車だったのであっという間に着きました。右手の常磐線線路との間には背の高さ以上のがあり、段々と木々が競りあがってきたので線路からの視界はなくなりました。これで安心してトンネルに挑めます(^^)。


【金網の中】

【くねくね】
 私の想いが通じたのか、金網の中の「イメージ」が目の前に広がりました(><)。  保守用道路なので、現行線路につかず離れずで設けられています。


■深谷沢トンネル(172.00m)
 深谷沢トンネルは172.00m。決して短い距離ではありませんが、トンネルの構造が直線のため、出口の光が見えています。さらに言えば、その先の天神沢トンネルも直線上にあるようで、入り口がくっきりと見えています。

 入り口脇にはさび付いた「深谷沢」の看板が打ちつけられています。

 深谷沢トンネルに入っていきます。トンネル内は比較的乾燥しているようで、レンガの崩落の危険性は少なそうです。


【深谷沢トンネル(末続駅側)】
 かっちりした感じですね〜。


【「深谷沢」の看板】

【トンネル天井部】
 さびてしまい、何とか読める程度です。  部分部分でレンガが落ちているところもありますが、比較的状態は良いです。


【退避口】

【深谷沢トンネルを出る】
 線路内で電車を避けるために設けられたであろう、退避用の穴。  すぐ目の前に「天神沢トンネル」が見えていました。


■天神沢トンネル(85.40m)
 深谷沢トンネルを抜けると100m程度先に天神沢トンネルが見えます。天神沢トンネルは85.40mで今回訪問するトンネルの中で、一番短い距離です。このトンネルは久ノ浜に向かって右に曲がっていくようで、出口の光が半分だけ見えます。
 右手には。その向こうに現・深谷沢トンネルが見えます。

 天神沢トンネルの作りと、深谷沢トンネルの作りはたいへん似ています。丸いアーチ状にレンガを配し、その周りを横にレンガを積んでいく工法です。


【天神沢トンネル(末続駅側)】

【現・天神沢トンネル(末続駅側)】
 左手に視界が開けました。工事現場のようなので、どこからか車が入れるのでしょう。  こちらはコンクリートで固められた現行のトンネルです。味わいがないですね〜。


【天神沢トンネル上部】

【トンネルを進みます】
 見た目にもまだまだ現役のような雰囲気があります。  トンネル内も乾燥しており、安全性は高そうです。


 天神沢トンネルを抜けると、左手の山々の間から海が見えます。

 自転車を進めると、コンクリートの棺があり、『PCB汚染物』の看板があります。「関係者以外の取り扱いを禁止する」の文字(´・ω・`)。近くに原発もあるし、そういった関係の廃棄物がしまわれているのかしら??(´;ω;`)。

 怖いので、これ以上PCB汚染物には近寄らず、次の大沢トンネルに向かいます。

【天神沢トンネルを出る】
 もう少し先に大沢トンネルがあるはずです。


【天神沢トンネル(久ノ浜駅側)】

【左手に海が見えます】
 末続駅側と似ているデザインですね〜。状態も大変良いようです(^^)。  このトンネルラインは視界が良くなかったのですが、ここに来て海が見えます。


【PCB汚染物】

【コンクリートで固められた棺桶】
 「関係者以外の取扱いを禁止する」そうなのですが、PCBって何?(´=ω=`)。  この中に宝物があるのかしら!?。誰にも渡さない!!(@@)ハアハア ヒトリジメ。


■大沢トンネル(226.02m)
 大沢トンネルは左手にがせりあがり、右手には背の高さをゆうに越えたが覆いこんでいます。入り口の左手には、「大沢ずい道」の文字が彫られたが構造物に埋め込まれています。

 大沢トンネルはアーチ上の下半分がレンガで詰まれ、上のアールの部分がコンクリートでできており、その周りを横にレンガ積みしていっています。
 トンネルの中はコンクリートで補強修理をした後のようで、安心感があります。距離は226.02m。かなりの距離があります。トンネルは左に曲がっていくようで、出口の光は見えてきません。しばらく自転車を押していくと、出口です。

【枕木の橋】
 大沢トンネルに行く途中、枕木で作られた橋がありました。たたいて安全を確認してから渡ります。


【大沢トンネルが見えてきた】

【左側に「大沢ずい道」の文字】
 あたりが山に囲まれるようにしてトンネルがあります。  「竣工 昭29.1.10. 施工者 ライ工業KK」の文字が彫られています。


【大沢トンネル(末続駅側)】
 木々に囲まれるようにしてトンネルがあります。出口の明かりが見えません。


【木が侵食】

【構造】
 トンネル上部に木が侵食しています。強度が落ちていないか心配です(^^;)。  トンネル下部はレンガが詰まれ、上部は白いセメント(コンクリ?)のアーチ状。


【出口が見えない】

【壁面崩落】
 226m近くの長い距離があります。出口の明かりが見えないというのは怖いです。  トンネル内部にて、補強用?のセメントが剥がれ落ちています・・・(´TωT`)ブルブル。


 このまま先ほど行くことのできなかった、原見坂トンネルに行くつもりでした。しかし、保守用の道路は右に曲がっていくようにして、線路に吸収されてしまいました・・・。
 今回は原見坂トンネルはあきらめましょう・・・。


【大沢トンネル(久ノ浜駅側)】

【旧線跡は現行に吸収】
 草木に包まれてしまったかのような、ジャングルなトンネルです(^^;)。  原見坂トンネルはこちらからアクセスすることはできないようです・・・(´・ω・`)。


■かなりの収穫を得た2日目でした
 今来たトンネルをすべて戻っていきます。

 末続駅まで戻り、電車を待ちます。ちょうどいわき駅行きの電車が出てしまった後のようで、70分待つことになります。

 駅トイレ脇の水道で顔を洗い、服を着替えます。自転車輪行バックにしまいます。まだまだ時間があるので、末続駅ホームに出て、駅斜面の花々を撮影します。ホームの先には、先ほどの館ノ山トンネルが見えます。こうして見ると、末続駅ホームから歩いていったほうが近そうです(´^ω^`)。

【末続駅構内にて】
 誰もいなかったので、自転車を駅の中に。1時間以上時間があります・・・。


【つつじ】

【ホーム端から】
 植物に詳しくないので間違っているかもしれないですが、きれいですね〜(^^)。  館の山トンネルが見えます。その左には館ノ山トンネルがあるはずです。


【海が見える駅】

【電車が来る】
 今でこそ無人駅ですが、この末続駅は地元民が作り上げた、地元のための駅です。  いわき駅に帰るための電車が入ってきました。いわき以北の常磐線は緑色。


 電車が来ました。電車手すり輪行バックのわっかを結びつけ、いわき駅に戻ります。
 一度ビジネスホテルに戻り、洗濯物を取ってきます。ホテルの方に教えてもらったコインランドリーで洗濯しつつ、近くのセブンイレブンで食事を購入します。

 明日はいよいよ念願の金山トンネルを攻略します。
 うとうとしながら眠りにつきました。


■おまけ:東洋ホテル ランク下の部屋
 初日にも書きましたが、3泊中の2,3泊目は本来予約したとおりの格下の部屋に泊まります。比較してやってください〜(^^;)。

 ベット幅が少し狭くなったような感じがします。  作り付けのテーブルも、部屋のスペースの関係で詰め込まれています。

 ユニットバス。一見普通。  きれいに清掃されています。

 蛇口周りは清掃されていますが、古さを隠せません。  シャワースペースはかなり狭いです。







つづく・・・
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更新日 2004/08/04
2004年07月11日 UP

関連リンク
常磐線の旧トンネルを始めて訪問したときの記録(全3回)
常磐線北上の旅(その1)(030405) ・その2(030406) ・その3(030406)
常磐線周りの電車の旅
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筑波鉄道 岩瀬−筑波ウォーキング(030322)
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【サイト紹介】1985年(昭和60年)3月17日から9月16日まで茨城県筑波研究学園都市にて開催された、『国際科学技術博覧会(通称・科学万博−つくば’85)』〔EXPO’85〕や、茨城県県南地方(土浦市・つくば市)のイベント、JR常磐線(旧トンネル)、廃線となってしまった筑波鉄道(つくばりんりんロード)を中心に繰り広げる、「いばらき だいすき」なサイトです。

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