ぶらり茨城
 『ぶらり茨城』は、いばらきを訪れた時の訪問記をつづっています。
 身近ないばらきの「今」を取り上げます。
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■ 真壁のひなまつり ■
真壁町(県西) : 2005年2月12日(土)取材

 2005年2月12日茨城県真壁町で、「真壁のひなまつり」が行なわれました。
 「真壁のひなまつり」は、この寒い時期、観光客を少しでももてなそうと、古くから各家々に伝わる雛人形を展示し、お客様にご覧いただこうとして行なわれたのが始まり。今回で3回目と、イベントとしては新しい分類に入ります。
 訪問して驚いたのが、町内の皆様が「金銭的利益」に固執せず、ご来場のお客様に無料の甘酒をごちそうしたり、お茶をごちそうしたりして、「おもてなし」を率先して行なっていること(^O^)。
 「観光」でもっとも大事で大切な、「楽しい思い出づくり」を演出することができている、そんなすばらしいイベントです。


 8時に目が覚めてしまいます。今日は休みなのだ!(^^)。
 友達と会う予定だったのが友達の都合がつかず、本日一日空いてしまいました(◎◎)ウーン。
 明日行こうかと思っていた、『真壁のひなまつり』に行くことにします。

 時間はすでに9時30分を回っています。
 早々と準備をし、家を出ます。途中で、行きつけの耳鼻科で薬を調達。


【北浦和駅】
 私の行きつけの耳鼻科は北浦和にあります。娘々のスタカレーが好き。

【ホリデーパス】
 土日祝にJR東日本で販売されているフリーきっぷ。首都圏地域限定です。


■東北線唯一の茨城県の駅、古河駅
 大宮駅宇都宮線に乗ります。水戸線に接続している小山駅を目指します。
 私のスケジュールでは、このまま小山駅に直接向かっても30分ほどあまる計算になります。東北線で唯一茨城県を通過している駅、古河駅で途中下車することにします。

 古河駅には新幹線線路が並列されています。でも、新幹線のホームは無いんですよねー(^^;)。降り立った古河駅駅構内は、越後湯沢駅のような、燕三条駅のような雰囲気です。駅舎東口西口も、両A面のような(たとえが古いかしら?)デザインです。

【なぞの碑】
 栗橋駅から古河駅に向かう途中の、利根川手前にあるなぞの碑。茨城百景碑?。


【古河駅 看板】
 東北線唯一の茨城県の駅。茨城県民性があまり現れない土地柄でもあります。

【古河駅 改札】
 天井高があまり無く、平面に広い構内はどこかで見た雰囲気をかもし出します。

●古河駅駅構内は燕三条駅や越後湯沢駅に雰囲気が似ている

【燕三条駅】
 上越新幹線、弥彦線接続の燕三条駅。(2002年1月14日撮影)

【越後湯沢駅】
 上越新幹線、上越線接続の越後湯沢駅。(2004年2月14日撮影)

●両A面なデザインの古河駅

【古河駅 東口】
 大きなターミナルがあるのが東口。

【古河駅 西口】
 「万葉古河の歌の碑」があるのが西口。


■古河の史蹟探訪
 最近凝っているのが『茨城百景』の碑を探すこと。

 ここ、古河茨城百景に制定されているのです。茨城百景では「古河遠景」として制定されています。この“遠景”というのがやっかいで、「古河遠景」には「雀神社」「提灯祭」「三国橋」「熊沢蕃山の墓」「古河公方の遺蹟」「渡良瀬川遊水池」「新郷の松並木」が対象とされています。このいずれかの場所に茨城百景碑があるかもしれませんし、まったく関係ない場所にあるかもしれません(^^;)。この辺が、茨城百景碑を探す楽しさなのです。って言っても、こんなに候補がたくさんあっては、簡単に見つかるわけがありません!(@皿@)キー。

【万葉古河の歌】
 最古の歌集「万葉集」の中で、古河に関する歌が二首掲載。その内のひとつ「逢はずして 行かば惜しけむ まくらがの 許我こぐ船に 君も逢はぬかも」が書かれています。

 いずれにせよ今日は真壁に行くのが目的ですし、古河駅に滞在できるタイムリミットは30分程度しかないので、下見レベルでの訪問です。


【古河史蹟案内略図】
 古河駅(西口)駅前にある案内板。茨城百景の指定が「古河遠景」とある以上、この案内図のどこかに百景碑があって欲しいものです・・・(==)。

 駅前にある「古河史蹟案内略図」をしげしげと眺めます。
 30分の間に確認できるのは近場の「大ケヤキと大聖院」ですね。GPSで方向を確認しながら、歩きます。左手にちらちらと大ケヤキの木が見えるので、すんなりと訪問することができました。


【古河駅 駅前を歩く】
 駅前をまっすぐ歩いていきます。駅の規模の割りに2車線の庶民的な道路。

【大ケヤキの木が見える】
 あまり時間が無いので、駅から近い「大ケヤキと大聖院」を見に行きます。


【大聖院】
 古河公方足利晴氏が妻の兄北条氏康のために開基したとのこと。

【入口の門】
 いたる所に石や碑があるので、どきどきするのですが、百景碑ではありません。

 残念ながら茨城百景碑はありませんでしたが、様々なを確認することができたので満足です(^^)。

■古河駅から小山駅、そして下館駅へ
 古河駅に戻り、12時6分の宇都宮線に乗り込みます。

 小山駅
 いったんホリデーパス改札を出て、suica改札に入り直します。ホリデーパス小山駅フリーパス区間を出てしまうからです。あと10分ほどで水戸線が出ます。

 水戸線ロングシートです。
 流れ行く景色と筑波山を眺めつつ、下館駅電車は向かいます。

【小山駅 構内にて】
 偕楽園駅開設のポスター。今年も水戸の梅、偕楽園臨時駅が開設します(^^)。


【水戸線ホームにつながる通路】
 小山駅で水戸線ホームは少し離れていて、接続するこの通路が好きです。

【レンガの橋桁跡】
 東結城駅と川島駅の間の鬼怒川には、昔使われていた橋桁跡?が見えます。


■下館で加波山事件志士の墓を訪問する
 下館駅に到着。
 下館駅から真壁駅までは路線バスを使います。時刻は13時になろうかというところですが、真壁行きのバスは13時55分発です。およそ1時間待ち(−−)。このくらい待つのは下調べしてあるので、辺りを歩くことに。

 近場に「市指定文化財 加波山事件志士の墓」がありますので行きます。

【下館駅】
 3月28日に下館市、関城町、明野町、協和町が合併し、筑西市になります。


【加波山事件志士の墓】
 明治初期、年貢に苦しんだ下館、真壁の農民が起こした一揆が発端。一揆は過激な方向へ発展します。過激派が加波山で「革命を起こそう!」と決起するも参画者はほとんどいず、“革命”は“暴動”というレベルに終わります(集まったのは15名のみ!)。その後、関係者は捕らえられ、処分された歴史があります。

 13時30分過ぎに再び下館駅に戻ります。真壁駅行きのバスバス停に入っているので、乗車して出発を待ちます。


【真壁駅行きのバス】
 真壁駅に行くバスは、1日7,8本しかありません。訪問前にチェックすべし。

【床が板張り】
 最近は見られない、床が板張りのバス。独特の(防水)油のにおいがします。


■真壁駅(旧筑波鉄道 真壁駅跡)
 13時55分、バスは出発します。
 筑波山を眺めながら30分ほどかけて真壁駅に到着します。

 真壁駅は昭和62年に廃線になった、筑波鉄道の駅跡なのです。今はもう、駅舎などは解体されてしまい、ホーム跡しか確認できるものはありません。

 駅ホームなどを撮影し、茨城百景碑『傅正寺と真壁城址』を撮影します。

【真壁駅跡】
 かつて常磐線土浦駅と水戸線岩瀬駅を接続していた筑波鉄道という路線がありました。


【真壁休憩所の看板】
 「雨引休憩所まで5.3km」「筑波休憩所まで9.9km」と書かれています。

【真壁駅ホームの桜】
 春先になればここも桜で満開になるのでしょうけれど、まだ時期尚早のようです。。


【茨城百景 伝正寺と真壁城址】
 「伝正寺と真壁城址」の碑は何度かお目にかかっていましたが、サイトにUPしたのは初めて。碑のフォントが独特で、本家の碑でない可能性があります。


【バスロータリー】
 真壁駅跡前にある、バスロータリー。バスの本数が少なく、アクセスが困難です。

【駅前通り】
 真壁祇園祭典の時にお世話になった内田タクシーさんは茶色い建物です(^^)。

 真壁は3度目の訪問です。
 最初は、つくばりんりんロード岩瀬駅-筑波駅間を徒歩で歩いた筑波鉄道 岩瀬−筑波ウォーキング(20030322)。2回目が去年(2004年)の夏に行なわれた平成16年度 真壁祇園祭典(20040725)。そして今回の『真壁のひなまつり』

 いよいよ真壁の街中を撮影して回ります。


■真壁のひなまつりと町並み
 今回は『真壁のひなまつり』ということで「雛人形」が撮影対象ですが、真壁は街中の建物も情緒があるのです。雛人形真壁の建物を交互に撮影しながら街中を歩き回ります。
 歴史のある街だけあって、雛人形昭和に作られたものもあれば、江戸時代に作られたものもあり、たいへん趣深いです(^^)。


【1:桜井精肉店】
 左下は昭和42年製作。右下が昭和10年頃に製作された人形です。


【8:塚本家】
 とても古そうな人形です。江戸時代のものなのかしら?(´・ω・`)。


【9:高浜商店】


【11:蔵布都】
 大正7年のお雛様。


【10:村井醸造】
 有登録有形文化財。霞ヶ浦が海とつながっていた時代、船で醤油を運ぶ経済がありました。

【村井醸造のお雛様】
 昭和初期のお雛様です。
 


【24:増田酒店】
 増田酒店ではおもてなしの甘酒の無料サービスを行なっています(*^O^*)。


【28:村上書店】
 ショーウィンドーに雛人形が飾られています。昭和25年と27年の人形。


【59:旧真壁郵便局】
 登録有形文化財。昭和31〜61年に真壁郵便局として利用。ゴシック調のがっちり建築。

【真壁郵便局 内部】
 郵便局だった時のまま内装が残されているようで、入った瞬間、少し驚きます(^^;)。


【70:川島書店 見世蔵】
 昭和の人形。川島家は江戸時代より荒物、文房具、生薬など様々な商売を営んでいます。現在こちらの「見世蔵」は町づくりの場として活用されています。


【69:若松屋】
 昭和50年の人形です。


【62:仲町休憩所】
 平成元年と、比較的新しい人形。それでも17年ものです。


【入江家】
 登録有形文化財。昭和元年の建築物。

【38:小田部生花店】
 カーネーションで作られたお人形様(*^^*)。


【37:タサキ洋品店】
 昭和33年のちっちゃくてかわいらしいお雛様が並んでいます(^O^)。


【19:野菜づくりの会】
 昭和30年年代の、引き締まったお人形です。


【23:潮田家】
 手前の大きいお内裏様とお雛様の人形は江戸時代のもの。


【伊勢屋旅館】
 もともとは料亭「勢州楼」。現在は旅館として利用されています。

【猪瀬家】
 明治初期に作られた薬医門。水戸城址でも見られましたね〜(^^)。


【真壁町歴史民族資料館】
 地域資料である「真壁町の文化財」(500円)を購入します。

【真壁町中央公民館にて】
 町内のいたるところで、今回のひなまつりイベントの地図やパンフレットが手に入ります。


【70:川島書店】
 人気があり人垣が多くて撮影できなかった川島書店の人形も、町内を一巡してから訪問したら誰もいず、撮影が可能になりました。中央は昭和46年の人形。


【47:白川菓子店】
 昭和に作られたお人形さんです。


【49:静歌屋】
 昭和20年代の人形。昭和初期の人形は頭が小さく作られている気がします。


【50:泉電設】
 左上段が大正時代末期のお雛様。左下と中央のお雛様は昭和4,50年代の製作のものです。

 街のいたるところでお客様をもてなす活動が行なわれていて、「これからの地方観光のあり方」みたいなものを感じさせていただきました。“物”ではなく“おもてなし”でお客様を喜ばせる。これが重要なのに、できていない観光名所が多いのです。真壁“おもてなし”ができているのです(^^)。

■平井家で真壁祇園祭典のことで盛り上がる

【平井家】
 手前の写真に山車が撮影されており、「去年の祇園祭典に来ましたよ」みたいな話で盛り上がりました。お茶をご馳走になります。バスの時間のため退出。

 最後に訪れた「平井家」では地域の方とお話ししました。
 バスの時間が近いこともあり、「また今年の夏来ます」とご挨拶し、バス停に行きます。
 16時45分のバスに乗って下館駅を目指します。バスは最後まで私を含めて2人だけ。乗車率が悪いのでしょうけれど、この路線は無くさないでほしいですねー。もしバスも無くなってしまったら、真壁はますますもって陸の孤島になってしまいます・・・(TOT)。


(この項おしまい)
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更新日 2005/05/28
2005年05月28日 UP

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【サイト紹介】茨城県土浦市で生まれ、すぐに県外で育ちました。「故郷は遠きにありて思うもの」とは言いますが、歳を取れば取るほど故郷への愛着は深まるばかり。1985年(昭和60年)3月17日から9月16日まで茨城県筑波研究学園都市にて開催された『国際科学技術博覧会(通称:科学万博-つくば’85)』〔EXPO'85〕の思い出を皮切りに、幼い頃よく連れて行ってもらった土浦駅を中心に活動の場を広げます。サイト開催当初は茨城県県南地域(土浦市・つくば市)を中心に活動を広げていましたが、現在では県央、県北、鹿行と活動の幅を広げています。時には茨城県を飛び越え、常磐線つながりで「常磐線旧トンネル(廃トンネル)」を福島県まで求めたり、廃線となった筑波鉄道を散策したり。日立電鉄廃線の時には、最終列車に乗ったりします。祭り好き、花火好き、山車好き。茨城県の第一人者になるべく、足を使った泥臭い取材を心がけていく、「いばらき だいすき」なサイトです。将来の夢は茨城県で一花、いや、たくさんの咲かせること。故郷に錦を飾る予定です。

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