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 真壁のひなまつり 第四章 
茨城県桜川市県西) : 2006年2月18日(土)取材

 「おもてなし」で町おこしを始めた旧・真壁町(現・茨城県桜川市)。
 中でも「真壁のひなまつり」による雛人形の展示は、茨城県外にも知られるようになり、多くの観光客が訪れるイベントになりました。住人たちが協力し合い、冬の寒い時期に真壁町に訪れてくれるお客様をおもてなししようと始めた同イベントは、地元参加者も年々増え続けており、今年(2006年)からは「すいとん」も地元料理として作り上げるなど、真壁町は冬でも熱い町になりました。
 今年は4回目。「真壁のひなまつり 和の風 第四章」が始まっています。


 今日はJRが主催する「駅からハイキング」の日。茨城県桜川市真壁「ひなまつりと街並み散策」が行われます。集合場所はJR水戸線 下館駅。受付時間は9時〜11時の間です。

 家を8時頃出発すれば、本来のスケジュールどおりだったのですが、寝過ごしちゃいました(-ω-*)エヘヘ。気がつけばもうすぐ9時になるところ。この時間からがんばって訪問しても、「駅からハイキング」受付時間には間に合いません。自分のペースで行くことにします・・・。

 KOUJINN(旅人)が真壁地域に行くためには、3つほどルートがあります。
常磐線土浦駅から路線バスで行く
水戸線下館駅or岩瀬駅から路線バスで行く
つくばエクスプレスつくば駅から急行バスで行く
 今の時間帯だと、2番の『下館駅を出発する路線バスのルート』になります。


■宇都宮線→水戸線 下館駅へ
 大宮駅で乗り込んだE231系、車内は多少の立ち客が出るほどの混み具合。
 快速運転なので各駅を通過しながら北上していきます。時刻表では13時33分に小山駅に入線する予定。

 小山駅に到着。乗り換えの水戸線は、13時36分発車。乗り換え時間が3分しかありません。エスカレーターを小走りに上っていきます。高架通路を歩き、水戸線の15,16番線に降り、ホームに待つ電車に乗り込んで一安心。

 水戸線進行方向右手には筑西の水田風景。この時期水田は干上がっており、茶色い台地が広がります。遠くに、ぽっこり2つ山の筑波山

【水戸線に乗り換える】
 宇都宮線(東北本線)で小山駅に到着。水戸線に乗り換える時間は3分しかありません(@@)。


【水戸線から見える筑波山】
 水戸線で小山駅から下館駅を目指します。進行方向右手には関東平野が広がり、2つの頂上の筑波山がそびえます。


■乗り継ぎの悪い 関東鉄道の路線バス
 下館駅到着の13時58分。

 真壁駅行きのバスは14時出発なので、ぎりぎりの乗り換え時間です。。混雑する改札に引っかかったら、あっという間にバスは行ってしまいます。電車の中できっぷを用意し、電車が下館駅到着とともに、改札へ軽くダッシュします。

 駅舎を出て右手。真壁駅行きのバス。始発なので整理券は「券なし」のようです。一番奥のシートを確保し、出発を待ちます。

 30分ほどで真壁駅に到着します。最後まで乗っていたのはKOUJINN(旅人)だけです(^^;)。料金箱に640円を入れ、「ありがとうございました」と言ってバスを降ります。

【真壁駅行きの路線バスに間に合った】
 電車とバスの乗り継ぎが3分しか無く、改札に捕まったお客さんを置いてバスは無常にも出発してしまいます。。


■筑波鉄道 真壁駅跡
 まず最初に向かうのは、旧・筑波鉄道の線路があったつくばりんりんロード

 ホーム跡に植えられているはこの時期、枯れ木の状態です。春先はきれいなが咲くことで有名。大正5年に真壁駅の駅長北島貞次郎により植えられたも当初は10数本あったそうですが、現在では4本になってしまっています・・・。

【旧・筑波鉄道 真壁駅跡ホーム】
 大正5年に当時の真壁駅駅長が植えた桜が、現在でも残っています。


■茨城百景 真壁城址と傳正寺
 茨城百景「真壁城址と傳正寺」も撮影。
 正確に言うと、茨城百景「真壁城址と傳正寺」というのは登録されていません。登録名は「伝正寺と加波足尾」になります。
 茨城百景碑の意匠も、これまでの百景碑と共通性は見られませんし、昭和25年に制定された後の年に作られたのでしょう。。しかし、そんな小さなことはどうでも良いのです。「ここに茨城百景がある」という事実が大事なのです(−−)。。


【茨城百景 傳正寺と真壁城址】
 正確には「傳正寺と真壁城址」と言うのは茨城百景には存在しません。


■駅からハイキング 真壁城跡?
 そのまま東のほう(加波山、筑波山方面)へ向かいます。

 この地域は「古城」と呼ばれているんですねー、と感心しながら歩いていると、右手に広大な敷地があります。見ると「真壁城跡」のパネル。おおーw(゜O゜)w、これが真壁城跡なのですかーと感心するものの、お城は無く、平野が広がるだけです(^^;)。

【加波山方面に歩く】
 真壁の街中とは反対の、加波山方面に歩くことにします。

 敷地内にテーブルが設けられていて、何らかの受付が行なわれているようです。もしかしたら、「駅からハイキング」の受付なのかにゃ〜(´-ω-`)と推測しますが、今日はハイキングの登録をしていないから、行っても相手にしてくれないだろうなーと通り過ぎることにします。


【駅からハイキングの受付 「真壁城跡」】
 本日開催の「駅からハイキング」のコースに指定されている『真壁城跡』。今回は「駅ハイ」の参加受付を行なっていなかったので、素通りすることにします。。

 今日は天気が良い。歩き続けると、適度に暖かくなってきます。ジャケットの中に着ていたYシャツを脱ぎ、ジャケットの中はTシャツ一枚の状態で散策を続けることにします。
 
 真壁幼稚園のところに「関東ふれあいの道」の看板を発見。
 「筑波連山縦走のみち(1)」とされています。“(1)”なのだから、(2)(3)と続くのでしょう。。登山は前の岩間の愛宕山登山で少し懲りているので、ちょっとご遠慮気味なのだ(´=ω=`)。。


【関東ふれあいの道】
 「筑波連山縦走のみち」とあります。登山は当分ご遠慮させていただきます(^^;)。

【「レストハウスみかげ」の案内】
 桜川市が運営するレストハウスみかげは、真壁地域で有名なお店なのです。が、パス。

 くねくねっとした舗装された山道を登っていきます。
 住宅がところどろこありますが、廃墟のような建物も目立ちます。昭和後期!?と感じる、なつかし系の壊れた自動販売機もあります(^^;)。


■どっこい真壁の傳正寺
 くねくねした山道がまっすぐになると、階段のあるお寺が見えてきました。

 2,30段程度の階段を上った先には萱葺き屋根山門があります。山門の額には「天目山」の文字。構造の組み手は必見もの。しかし、長年メンテナンスが施されていないのか、木の割れやゆがみ、萱葺き屋根の萱などに痛みが目立ちます・・・(´=ω=`)。。このまま行ったら、崩れ落ちるか、解体撤去されるかのどちらかですにゃ〜。

【伝正寺 参拝道】
 階段の先に、萱葺きの山門が見えます。


【山門の額】
 額には「天目山」の文字。

【屋根の組み手】
 立派な組み手ですが、金具で修繕補強されていたりして、早期の補修が必須。

 山門をくぐり、さらに10数段の階段を上ると、伝正寺 本堂が現れます。
 こちらも萱葺き屋根。


【伝正寺 本堂】
 伝正寺は正式には「曹洞宗 天目山伝正寺」と言います。亀山天皇から「法身国師」(ほっしん)の号を送られた真壁平四郎が、文永5年(1268)に照明寺(しょうみょうじ)を建立したのが始まり。その後の関ヶ原の戦い(1600)後、浅野長政がこの寺に葬られた際に、「伝正院殿」と言われたことから「伝正寺」と解明されました。

 本堂前にある像が気になります。どうやら、この像が法身国師(真壁平四郎)のようです。

 境内左手にはたくさんのお墓。ぐるりと振り返ると、断崖になっており、真壁市街地を眺めることができます。伝正寺茨城百景に指定されているので、こうして見渡しが良いのは理解できます(^^)。

 本堂の中には製作中の風神様雷神様

【伝正寺からの眺め】
 茨城百景に制定されているだけあり、関東平野の広がる眺めはすばらしい。


【製作途中の雷神様】
 伝正寺本堂内には、製作途中と思われる風神様と雷神様の像があります。


 本堂内にいるワンちゃんがやけに人懐っこい。なでなでしてあげてから道路に戻り、山道を歩こうとすると、いつの間にか着いてきていています。KOUJINN(旅人)を先導するかのように、ちょこちょこ歩いていきます。もしかしたら、「ここ掘れワンワン」で、隠れ茨城百景碑の場所でも教えてくれるのかしら!?(@@)と、期待してしまいます。

 しばらくワンちゃんの後を追ってみましたが、だんだん山道になってきたので戻ることにします(==)ゴメンネ。

【人懐っこいワンちゃん】
 このワンちゃん、山道を先導するように歩いていくのですが、時間が無いため別れました。。


■真壁のひなまつり 和の風 第四章
●90:桜井館
 桜井館さんで雛人形の撮影。こちらは宿泊施設と共に、日帰り入浴(500円)も行なっているとのこと。お一人様からの宿泊も可能で、7875円/1人。伝正寺温泉。

真壁のひなまつり 和の風 第四章(茨城県桜川市/旧・真壁町)
【90:伝正寺温泉 桜井館】
 伝正寺近くに構える桜井館さんでもまた、「真壁のひなまつり」の展示が行なわれています。このイベントが無かったら訪れることの無かった旅館さんです。宿泊以外にも、日帰り入浴も受け付けています。あの芥川龍之介も宿泊したという、歴史つき!(@O@)。


●82:橋本旅館
 真壁町市街地に戻ってきました。

 橋本旅館
 建物内にある正面大階段を使っての雛人形の展示です。雛人形もさることながら、建物内の天井の格子造りであったり、建具が木枠のまま現在も利用されていたりなど、現在では、かなり高級な建築であることが分かります。床板もひずみがまったくなく、古さを感じさせず、芸術的歴史感を味わうことができます。

【82:橋本旅館】

真壁のひなまつり 和の風 第四章(茨城県桜川市/旧・真壁町)
【82:橋本旅館】
 旅館の階段を雛壇にして、お雛様を飾っておられます。


●121:満寿庵たちかわ
 ギャラリー「新宿」満寿庵たちかわ

 今年が“初参戦”というたちかわさんの建物は、蔵造り。最も顕著なのが、2階建ての2階部分が吹き抜けになっており、吹き抜けから荷物を上げ下ろしするように造られています。

 柱や針は桜の木を使用。過去にこれほどがっちりどっしりした太さを持った木を見たことがありません!(@@)。

【満寿庵たちかわ】
 ギャラリー「新宿」にて、展示店も併設。

真壁のひなまつり 和の風 第四章(茨城県桜川市/旧・真壁町)
【121:満寿庵たちかわ】
 今回から「真壁のひなまつり」に参戦した、満寿庵たちかわさん。もともと反物などを扱っていたお店のようで、奥が倉庫(倉)になっています。


●121:満寿庵たちかわ ギャラリー新宿:田崎太郎の展示
 梁高60センチはあろう梁は、節がまったく無く綺麗。芸術。

 2階に上がる階段は、箱階段!(@@)。資料としての箱階段は見たことがありますが、実用レベルで箱階段を使っているのは初めてです!!!!!(≧≦)。

 階段を上ると、吹き抜けで下階が見えます。2階に置かれた箪笥類も、かなり良い感じ。天井は化粧版が取り付けられてなく、天井構造がそのままむき出しになっています。壁は土塗りで、乾燥縮小のため柱との間に隙間ができています。

【桜の木を使った梁】
 60センチはあろうかという、桜の木を使った梁は必見です(@@)。


【箱階段】
 展示物ではなく、実際に現在も利用されている階段。

【2階への吹き抜け】
 荷物を上げ下ろしするための吹き抜け。実用性があるのです。


【満寿庵たちかわ 2階】
 陶人形作家 田崎太郎(工房TARO'S)による、陶人形の展示会が行なわれています。


【引き出しに飾られる陶人形】
 陶人形もさることながら、それぞれの家具も質感や金具など見所があります。

【塗り壁】
 空気が乾燥し、塗り壁が縮小して隙間ができています。昔の建材の良いところであり、悪いところ。


●119:川島書店 住居
真壁のひなまつり 和の風 第四章(茨城県桜川市/旧・真壁町)
【119:川島書店住居】
 文房具や薬、書籍と幾代にも渡り、真壁の地で商売をされてきた、川島書店の住居。


●79:根本米店
真壁のひなまつり 和の風 第四章(茨城県桜川市/旧・真壁町)
【79:根本米店】
 人の気配がしませんが、礼儀としてきちんと挨拶をします。
 「すいませーん、写真を撮らせてくださーい」。
 奥から男性の声で「どうぞー」の返事。きちんと挨拶をするのはキモチの良いものです。


●72:松野屋
真壁のひなまつり 和の風 第四章(茨城県桜川市/旧・真壁町)
【72:松野屋】
 先客の方がいらっしゃって、お店の方が一生懸命説明をしています。
 明治初期に作られたという雛人形は丸顔で、目が細いのが特徴。松野屋さんの雛人形はどれも表情豊かで、見ていて惚れ惚れしてしまいます。


●111:池田鮮魚店
真壁のひなまつり 和の風 第四章(茨城県桜川市/旧・真壁町)
【111:池田鮮魚店】
 魚屋さんは普段どおり営業中で、冷蔵庫の上に雛人形を飾っているのがオリジナリティーがあり、すばらしい。こういう何気ないアイデアで魅せることもできる例です。


●24:増田酒店
真壁のひなまつり 和の風 第四章(茨城県桜川市/旧・真壁町)
【24:増田酒店】
 甘酒を去年もいただきましたが、今年もいただきます♪(^^)。
 雛人形も大事ですが、こうしておもてなしする姿には敬意を表します<(_ _)>。


●17:伊勢屋旅館
真壁のひなまつり 和の風 第四章(茨城県桜川市/旧・真壁町)
【17:伊勢屋旅館】
 今年から始まった「すいとん」が食べられる、少ないお店のひとつ。訪問時間が遅いこともあり、すいとんは終わっていました・・・(´TωT`)。接客中だったので、足早に退散。


●15:小川美容室(オガワ美容)
真壁のひなまつり 和の風 第四章(茨城県桜川市/旧・真壁町)
【15:小川美容室(オガワ美容)】
 窓越しに飾られる雛人形。


●23:潮田家

【23:潮田家】
 広い屋内にずらっと並べられた雛人形は迫力があります。



【御陣屋(ごじんや)前通り】
 関ヶ原の合戦後、真壁城主となった浅野氏が真壁の町をつくる際に、五間掘りと土塁で囲まれた屋敷(御陣家)を築いて拠点とし、上宿、下宿、高上、仲町、新宿の五町を基本に完成させました。

【38:小田部生花店】
 雛人形を普通に飾るだけでなく、お花屋さんらしく、花で包まれた「花雛」を展示しているのが特徴です


 時間が17時を回ってしまいました。
 街中を散策するお客さんの姿もほとんどいなくなったし、暗くなってきたので真壁駅に戻ることにします。。


■上宿町の山車
 上宿の山車の倉庫の扉が開放され、山車の展示も行なわれています(^^)。
 「見せられるものは惜しげなく展示する」という、真壁の皆さんのオープンな心意気に感動します。

 山車のワッパははずされています。地元の方に伺うと、「10数年使ってきたから、今年は新調しようか検討している」とのこと。

【上町の山車】
 真壁祗園祭で大活躍。がっちゃんがっちゃん、ウイリーさせたりするから、痛みも激しいのかも。


■どら焼きでバスを待つ
 17時20分、真壁駅

 『急行つくばセンター行きのバス』に乗るつもりで来ましたが、時間を勘違いしていてバスは17時15分に行ってしまった後・・・。次のバスは、『岩瀬駅方面行き』の17時55分です・・・。 段々暗くなる中、トイレに行ったり、先ほど購入したどら焼きを食べたりしてバスを待ちます。

 真壁駅からのバスの利用者はKOUJINN(旅人)一人。。途中で2人乗せ、計3名の利用のみとなっています。。

【松野屋さんのどら焼き】
 雛人形を拝見させていただいた際に、購入。


■ちょっと分かりづらい バス停「岩瀬駅前」
 バス停「岩瀬駅前」で下車。「駅前」と言っても名ばかりで、暗い夜道ではどちらの方角が岩瀬駅なのか検討がつきません(´・ω・`)。。幸いなことに以前、岩瀬駅周辺を歩いていたので土地勘があり、大体の方角をつかむことができ、無事に岩瀬駅に到着することができます。

 セイコーマートで買い物をし、下館・小山駅行き2,3番線ホームに回り込みます。
 意外にも(?)この時間は、岩瀬駅ホームにはたくさんの学生や輪行者、地元の方々が電車を待っています。

【バス停「岩瀬駅前」の案内図】
 水戸線 岩瀬駅にはバス停が無く、少し先の国道沿いにバス停があるのでした。


 入線してきたのはステンレスのロングシート。。
 地方路線にロングシートは似合わないけれど、常磐線E531系がどんどん導入され、あふれた比較的新しいステンレス車両水戸線に廻されているのでしょう。どちらかと言うとステンレスだったら、ぼろぼろの白電の方が好きなのに・・・。
 鹿島鉄道鉾田線が廃線の意向を示した中、こうしてJR水戸線ではしっかりとお客さんが利用してくれている事実を知り、安心しながら小山駅に向けてステンレス車両が発車します。


(この項おしまい)
 
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関連リンク
真壁のひなまつり(20050212) ・・・平成17年に真壁町で開催されたひな祭り。第三章。
平成17年度 真壁祇園祭典(20050724)
筑波鉄道 岩瀬-筑波ウォーキング(20030322)
    ・・・かつて土浦-筑波(筑波山口)-岩瀬をつないだ筑波鉄道跡を歩いたときの話


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