ぶらり茨城
 『ぶらり茨城』は、いばらきを訪れた時の訪問記をつづっています。
 身近ないばらきの「今」を取り上げます。
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■ 日立さくらまつり2005 日立風流物 ■
日立市(県北) : 2005年4月9日(土)取材

 2005年4月9日10日と1泊2日で日立市に行きました。
 日立駅前の大通りを歩行者天国にし、「日立さくらまつり」が行なわれます。国指定重要有形・無形民族文化財に制定されている「日立風流物」も披露され、こちらもまた楽しみなのです(^m^)。

 まず最初は、大甕駅で下車。2005年3月末で廃線となった日立電鉄線の大甕駅ホームを散策します。
 続いて日立駅。山車好きにはたまらないであろう、日立風流物の山車。

 日立風流物の山車は一体どういうふうになっているのか興味津々の中、常磐線で北上していきます。


 先月末(2005年3月末)で廃線となった日立電鉄線 大甕駅訪問と、茨城県日立市で行われている「日立さくらまつり」日立風流物を観にいくことにします。

 最寄駅から電車を乗り継ぎ、柏駅
 柏駅で入線してきた常磐線「いわき駅行き」です。今回の常磐線の利用は乗り継ぎがなく、安心して行けそうです。土浦駅水戸駅といくつかの駅で時間調整のため少し待つことがありましたが、無事に大甕駅に到着です。

【土浦 桜川の桜】
 間もなく土浦駅、というところで桜川を渡る常磐線から。川岸に咲く桜が見えます。


【羽鳥駅の桜】
 羽鳥駅沿いにも桜が咲いています。

【千波湖沿いの桜】
 千波湖駐車場にも桜が咲いています。


【夢の連結 E231+E531】
 水戸駅にてミニ電車が遠くに見えたので撮影します。イベント用なのかしら。

【那珂川】
 水戸駅を出てすぐに大きな川を横断します。常磐線の撮影ポイントでもあります。


■廃線後の日立電鉄線 大甕駅〔廃線9日目〕
 改札18きっぷを提示します。
 高架橋を渡り、日立電鉄線のホーム側に回ることにします。日立電鉄線大甕駅に来られたことがある方はご存知かもしれませんが、日立電鉄線大甕駅には駅舎がありません。駅舎自体はJR大甕駅のものを共用しています。ホーム内の高架橋を渡ることによって、日立電鉄線のホームに移動することになるのです。

 残念ながら日立電鉄線廃線になった翌日、日立電鉄線ホームにつながる高架橋ベニヤ板で封鎖されてしまっていたのでした。

【日立電鉄線ホームへの通路】
 ベニヤで封鎖され、日立電鉄線ホームに行くことはできません。大甕駅。


【日立電鉄線のホームを眺める】
 JR大甕駅のホームから日立電鉄線ホームを眺めます。廃線になったとは思えません。

【すっきりしたホーム】
 営業時はホームにたくさんの自動販売機がありましたが、撤去されてしまいました。

 いったんJR大甕駅駅舎を出て左に進み、大甕駅前商店街を歩いていくと陸橋があります。その陸橋を渡ると、日立電鉄線のホーム側に回れるのです。前回の訪問時(4月1日)は「もしかしたら、車両の移動などで電車が通るかもしれない」という理由で線路内に入っていくことは避けていました。実際に線路内の信号などはまだ、電気が通じているらしく、ランプが点灯していました。しかし、今回は廃線から9日経ったこともありますし、線路内の信号電気が通じていないらしく消えていました。なので、(本来はいけないのでしょうけれど)日立電鉄線の線路内に入っていくことにしました。


【駅前の商店街を歩く】
 常磐線と日立電鉄線をまたぐ陸橋がありますので、横断することにします。

【陸橋から大甕駅方面を眺める】
 右手が日立電鉄線のレール。左手が常磐線のレールになります。


 駅ホーム線路だけを漠然と眺めると今にも日立電鉄線真っ赤な車両が入線してきそうです。
 しかし、よくよく線路を見ると、うっすらとが浮き始めていますし、ホームの自動販売機も撤去されていて、すっきりしています。「ああーやっぱり日立電鉄線は廃線になったんだな〜」と再認識します。

【錆が浮く日立電鉄線のレール】
 電車が入ってきそうなレールには、使われなくなって久しく、錆が浮いています。


【改札がある方向】
 改札のプレハブが確認できます。

【ホーム全体】
 大甕駅には1台も車両がありません。


【日立電鉄線 大甕駅の線路】
 営業中ではできない、線路の写真を撮影します。


【待合室】
 廃線当日なるまで、この待合室では日立電鉄線のグッズが販売されました。

【距離標:0キロポスト】
 営業距離の基点となる0キロポスト。日立電鉄線はここから始まったのです。


【車輪止め】
 レールにパタンと倒して、車両の進入を防ぎます。木製でできており、ガタが来ています。

【入換信号機】
 終着駅において機関車の通路となるべく線路に取り付けられる信号機。


【レール脇に咲くたんぽぽ】
 終焉の日立電鉄線のレールの脇には、新しい息吹が誕生しています。

 再び大甕駅構内に戻り、2つ先の日立駅を目指します。


■日立駅に到着
 日立駅
 改札を抜けると、左手からにぎやかなサウンドが流れていきます。サウンドに吸い寄せられるようにして向かうと、「日立新都市広場会場」にて「ハイタッチ・コンテスト」と称してダンスのコンテストが行なわれています。

 日立さくらまつりを散策する前に、大きい荷物を本日宿泊する、東横イン日立駅前店に預けます。東横インではチェックイン・アウトの前後に無料で荷物を預かってくれるサービスがあるのです(^^)。無料でしていただけるサービスは使うに越したことがありません。

【日立新都市広場会場】
 日立駅前の会場では、ダンスコンテストで賑わっています。

 日立新都市広場会場では「舞喜踊連(ぶきょうれん)」が踊りを踊っています。

 今回の日立訪問は、「日立風流物」を観るのがメインの目的なので、ちょっと名残惜しいのですが、歩行者天国になっている平和通りに向かいます。イトーヨーカドーの界隈では出店が多く出ていますし、ミニSLがあったりして子供たちが楽しんでいます。


【舞喜踊連(ぶきょうれん)】
 普段の練習の発表の場になっているのでしょう。保護者の方が結構多いです。

【イトーヨーカドー前】
 出店で賑わい、ミニSLが運行されているなど、かなりの盛り上がりを感じます。


 平和通り
 平和通り車道の他に、バスの迂回道路歩道がゆったりと取られていて、出店がたくさん出ている割に歩きやすくていい感じです。

 早速前方から濱連のにぎやかな山車が現れました(^^)。山車に乗って踊っている方々が楽しそう。

【平和通り】
 日立さくらまつりのメインストリート。


【日立さくらむすめの集金】
 日立さくらむすめが募金を募っています。ライトアップなどの運営資金になります。

【茨城高専製作の人形】
 日立風流物の人形を製作したそうです。志村けんのバカ殿様みたいな雰囲気(^^;)。


【濱連による にぎやかな山車】
 前方からはにぎやかな山車がやってきました。濱連による山車です。


■日立風流物 西町
 交差点に壮大な山車がスタンバイしています。今までで見たことのない大きさの山車。これが日立風流物山車なのですね!?(@@)ギャフン。

 日立市には日立風流物山車が合計で4基あります。東町北町本町西町の4つ。日立風流物では4年に1度、各町に順番が回ってくるそうで、今年は西町年番町?のようです。

【どでかい高さの山車】
 目の前にそびえる、見たことのない高さ。こ、これが日立風流物の山車なのですね(@@)。


【日立風流物 西町】
 最長部分で15mもの高さを持つ日立風流物の山車は、山車の知識が無くとも十分にそのスケール感に圧倒されます(><)。しかけが始まる前です。


【ワッパ(車輪)】
 山車の大きさの割には、あまり大きさを感じさせないワッパです。

【山車の前でお囃子の演奏】
 山車の前ではお囃子が演奏されています。演奏後に何かがありそう(゜ω゜`)。

 西町の山車「風流忠臣蔵」がテーマで、ご存知の忠臣蔵のストーリーが山車上で表現されるようです。日立風流物山車「しかけ(からくり)」があり、現在の状態(デフォルト時)では「忠臣蔵」と言われても、何ひとつ理解できません・・・。


■日立風流物の仕掛けに驚く
 本日(9日)の日立風流物は12時、15時、19時に演じられます。ただいまだと、15時の分がこれから行われるようなので、待つことにします。

 山車の前では太鼓などが並べられ、お囃子が演奏されています。そのお囃子が終わり、山車の中でスタンバイしている演奏者お囃子を演奏し始めました。
 柏木が打たれると、山車山(開き)が動き始めました。開きが2つに割れ、忠臣蔵に出演する人形が競りあがってきて、動き出します。開きは5段あります。最上階に吉良がいます。

【「開き」が開き始める】
 山車前のお囃子が終わると、5段ある「開き」が下から順番に開いていきます。


【5段すべてが開いた状態】
 下から順番に開いていった開きがすべて開きました。演技は「風流忠臣蔵」。忠臣蔵の大まかなストーリーを知っているので、楽しめます(^^)。

 人形の中には弓矢を放つ者がいて、放たれたはもらえるようです。が放たれるたびに子供たちが駆け寄ります(^O^)KOUJINNモカケヨリターイ。


【吉良上野介】
 最上段には忠臣蔵の主役の一人である吉良上野介の人形が動いています。

【矢が放たれる】
 人形からは矢が放たれ、拾ったらもらえるようです。子ども達が駆け寄ります。


■人形の早返り
 山車の上ではすべての人形が出揃ったようです。
 人形はしばらく踊っていると、くるりと反転しました(@@)。反転した人形女性で、を持って「からかさ踊り」を踊り始めました。

 日立風流物山車開きだけでなく、人形にもこうした仕掛けがしてあるんですね〜。

【人形がくるりと回り、別の姿に】
 「早返り」と呼ばれる回転動作。一体の人形が2つの顔を持つことが可能になる仕掛けです。


【からかさ踊り】
 「風流忠臣蔵」は一転して、「からかさ踊り」になってしまいました(@@)。


■裏山:風流地雷也
 今度は山車の上部が180度回転しました。山車の後ろ側(裏山:うしろやま)は山岳になっています。看板が掛かっていて「風流自雷也」と書かれています。
 手前の山が開き、つっかえ棒が施されます。開いた部分に農民の人形が出てきました。山の中腹には、サルが木の枝を使ってくるくる前回りをしています。山の上にが現れました。はそびえた山をぐるりと巻きつき、下の農民のところに下りていきます。農民は逃げまどいます。がまがえるが現れました。がまがえるが戦い、最後に自雷也が止め(とどめ)を刺して劇は終わりになります。

【回転する山車】
 山車の上部が右回りに回転し、裏山が正面になりました。演技は「風流地雷也」。


【岩場の手前が降りる】
 つっかえ棒で支えるようです。

【農民の人形】
 岩場には農民の夫婦?が登場します。


【とぐろを巻く竜】
 竜が現れ、ぐるりと山に巻きつきます。

【山を降りてくる竜】
 ずるずると山を竜が降りてきます(><)。


【がまがえると竜が戦う】
 岩場にいた農夫婦はいなくなり、降りてきた竜と突然現れたがまがえるが戦い始めます(?)。時折せり出してくる、がまがえるがかわいい(^^)。


【がまがえるがかぶりつく】
 竜にかぶりつき、止めを刺します。

【地雷也が飛ぶ】
 ロープが張られ、地雷也が飛んできます。


【「祝 第44回日立さくらまつり」の」巻物】
 最後に「祝 第44回日立さくらまつり」の巻物がぱっと垂れ下がり、一連の演技が終了。辺りからはたくさんの拍手が沸きあがります(^O^)。

 「第44回日立さくらまつり」巻物が垂れ下がって終わります。周りからは拍手が起きます(^^)。
 いやー、これほど凝った仕掛けが施されているなんてびっくりですねー(@@)。
 日立風流物「国指定重要有形・無形民族文化財」に指定されているのも納得ですね!(^^)v。


【「開き」の底面】
 開きの底面にもしっかり意匠が施されており、たいへん質の高い仕事であります。

【ポーズを決める、からかさ踊り】
 あざやかな着物と、真っ赤なからかさは、日立風流物のすばらしさが感じられます。


■日立さくらまつりの風景
 小腹が空いたので、京焼き(たこ焼き)を購入します。500円。


【京焼き(たこ焼き)】
 たくさんある出店の中、少し変わった雰囲気のするたこ焼き屋さん。最近の出店では、一工夫した調理物を提供するのが“売れるお店”の条件です。

 歩行者天国を歩きつめると、ステージAに到着しました。この時間ステージではお囃子を演奏しています。


【日立風流太鼓大蓮】
 大小さまざまな太鼓で演奏します。

【助川ばやし保存会】
 こちらも太鼓で演奏が始まります。


【3人の“笑い”】
 すると、お囃子に合わせ、3人の“笑い”が入場してきて踊り始めました。

【日立さんさ連】
 黄色い着物を着た集団が、大通りに集まり始めました。


【日立さんさ踊り】
 お囃子に合わせ集団は進行し始めます。太鼓を首からぶら下げて、たたきながら進む姿は新鮮です。


 17時過ぎ、いったんホテルに戻り休憩。


■日立風流物 19時の部
 19時前、ホテルを出て歩行者天国日立風流物19時の部を目指します。

 ぎりぎりの到着だったので、たくさんの観客達の後ろからの観賞。
 2度目ともあって、今回はじっくりと技術的な部分から観させていただくことができました。

【闇に浮かぶ日立風流物】
 夜の部も趣が異なり、よろしいです(^^)。


■日立の山車
 日立風流物が終わると、歩行者天国の向こうから神輿がにぎやかに担がれてきます。

 最初が日立市の神輿。2つ目が十王の神輿。3つめが大槌会。4つ目が久慈浜神輿會。5つ目は山車濱連です。

【日立市の神輿】
 栃木県の人間国宝の方が製作されました。


【十王の神輿】
 千葉の受刑者が製作。部材は拘置所の木材を再利用したそうで、ワケありな雰囲気。

【大槌会】
 商工会などが好んで製作しそうなデザインです。つくばで見たことがあるデザイン。


久慈浜神輿會
 黒塗り(漆塗り?)で年代物の雰囲気です。

【濱連】
 本日、祭りを盛り上げてくださった濱連。


【日立さくらまつり ライトアップ】
 このライトアップもまた、日立さくらまつりのセールスポイントなのです。期間中(2005年は4月1日から20日)は、23時まで行なわれます。


 まもなく歩行者天国が終わる21時。
 今日の取材はこれまでにします。ホテルに戻る途中、日立駅 駅舎を撮影します。


【夜の日立駅】
 駅舎のずっと向こうは海なので、あの暗闇は本当の夜空です。

【東横イン 日立駅前店】
 本当に駅前にあるので便利。我が土浦駅前にも欲しいところです。


つづく:日立さくらまつり2005と北茨城市の観光事情
 
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更新日 2005/07/21
2005年07月21日 UP

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日立さくらまつり2006 日立風流物(20060408)
助川海防城跡とあんず通り(20060318)
平成17年度 日立神峰神社 大祭禮(20050504)
かみね公園と常磐線新型車両(20050401)
【サイト紹介】茨城県土浦市で生まれ、すぐに県外で育ちました。「故郷は遠きにありて思うもの」とは言いますが、歳を取れば取るほど故郷への愛着は深まるばかり。1985年(昭和60年)3月17日から9月16日まで茨城県筑波研究学園都市にて開催された『国際科学技術博覧会(通称:科学万博-つくば’85)』〔EXPO'85〕の思い出を皮切りに、幼い頃よく連れて行ってもらった土浦駅を中心に活動の場を広げます。サイト開催当初は茨城県県南地域(土浦市・つくば市)を中心に活動を広げていましたが、現在では県央、県北、鹿行と活動の幅を広げています。時には茨城県を飛び越え、常磐線つながりで「常磐線旧トンネル(廃トンネル)」を福島県まで求めたり、廃線となった筑波鉄道を散策したり。日立電鉄廃線の時には、最終列車に乗ったりします。祭り好き、花火好き、山車好き。茨城県の第一人者になるべく、足を使った泥臭い取材を心がけていく、「いばらき だいすき」なサイトです。将来の夢は茨城県で一花、いや、たくさんの咲かせること。故郷に錦を飾る予定です。

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