ぶらり茨城
 『ぶらり茨城』は、いばらきを訪れた時の訪問記をつづっています。
 身近ないばらきの「今」を取り上げます。
TOP blog 豆日刊茨城 ぶらり茨城 いばらき りぽーと 雑記 リンク集




■ 岡堰と間宮林蔵博物館 ■
伊奈町(県南) : 2005年10月20日(木)取材

 今年(2005年)4月に茨城百景 岡堰に訪問しました。
 その際に、小貝川に浮かぶ離れ小島・・・。どこをどう見ても岸とは繋がっておらず、渡ることが出来ませんでした・・・。離れ小島には旧・岡堰の一部が残っていたり、間宮林蔵先生の像もあるのです。。

 そうした中、HOLLYさんから「小貝川の水量が減り、離れ小島に横断することが出来ますよ」とのご連絡をいただき、喜び勇んで伊奈町に訪問することになったのです〜(^O^)。



 昼頃に家を出ます。
 HOLLYさんからのご連絡で、先日訪問した小貝川の岡堰が開門されて水が干上がり、真ん中にあった“訪問できない島”に上陸できるとのこと。

 前回訪問した4月は、小貝川の水がガンガン流れており、旧・岡堰の島に訪問することができませんでした・・・。島には旧・岡堰の設備の一部が残され、さらに間宮林蔵先生の銅像が建てられています。

【岡堰(2005年4月訪問)】
 小貝川の水がなみなみと流れており、中州の島に上陸することは出来ませんでした。。


■関東鉄道常総線で稲戸井駅を目指す
 14時過ぎ、取手駅に到着します。

 取手駅の橋上改札を通り抜け、くるりと関東鉄道の券売機稲戸井駅までのきっぷ(220円)を購入し、自動改札を通ります。エスカレーターを下り、駅ホームの売店で茨城新聞を購入します。と思ったら、茨城新聞がありません。

 お店の方に伺うと、「朝刊なので(午後の時間帯である今は)取り扱っていない」とのこと(´・ω・`)。茨城新聞夕刊を発行していないのだから、終日取り扱ってほしいにゃ〜。

【きっぷ】
 取手駅から稲戸井駅までは220円です。


 売店の裏手の駅そばはシャッター。張り紙がしてあります。「平日7時開店13時閉店/日曜日 祭日は休みになります」の文字・・・。関東鉄道 取手駅ホーム駅そばは一度も利用したことがありませんが、ちょっと残念・・・。
 まもなく7番線ホームから下館駅行きの気動車が発車となりますので、乗り込みます。


【関東鉄道の駅そば屋さん】
 日曜祭日はお休みとのこと・・・。平日の7時開店、13時閉店というのも、シビアだ・・・。

【下館行き ワンマン気動車】
 下館行きとなっていても、途中の水海道駅にて「乗り換え」をすることになります。


■稲戸井駅の風景
 取手駅から10数分ほどで、目的の稲戸井駅に到着します。5,6名のお客様が降ります。稲戸井駅有人駅で、さらに自動改札が設置されています。よって、車掌さん(運転手さん)による改札作業がありません。

 気動車が出発した後、線路上の歩道を歩き、自動改札にきっぷを通します。

【稲戸井駅(いなとい)】
 取手駅から4つ目の駅。水海道駅までの区間は利用者も多く、駅員が在中しているようです。


【線路上の歩道】
 関東鉄道 常総線で対向式ホームの場合、多くは線路上の歩道で対岸ホームに渡ります。

【自動改札】
 利用者が多い区間(東京通勤圏)であることから、改札も数年前に自動化されました。


■取手市福祉施設巡回バスでショートカット
 稲戸井駅の駅舎や駅周辺を軽く撮影し、岡堰方向に歩き始めます。

 すると、駅前のY字路に「福祉施設巡回バス」バス停があります。この手のバスは本数が非常に少なく、時間が合致したことがまずありません・・・(−−)。あまり期待せずに時刻表を眺めると、あと2,3分でバスが来るではありませんか!!(@@)。

 時刻表を眺めている後ろから、バスがやって来ました。。。

【稲戸井駅 駅舎】
 今年に入って2度目の訪問。ここから岡堰まで徒歩で30分ほどかかるのですが・・・。


【稲戸井駅前の道を歩く】
 駅前を歩き、写真のY字路を左に進みます。すると、地域バスのバス停を発見。

【取手市福祉施設巡回バス】
 1日1往復!(@@)の地域バスにドンピシャでお世話に。バス停「妙見八幡入口」にて撮影。

 バスの扉が開きます。

KOUJINN(旅人) 「すみません、岡堰に行きたいのですが。このバスは岡堰に行きますか?」
運転手さん 「岡堰の方向に行くから、お乗りなさい」


■岡堰まで歩く
 ということで、7,8分ほど乗せていただき、岡堰近くであるというバス停「妙見八幡入口」で降ろして頂きました。このバスは「無料」とのこと。いやー、こりゃラッキーですなー(*^^*)。運転手さんにお礼を言い、バスの出発を見送ります。

 運転手さんの教えていただいた通りに歩いていくと、以前歩いたことのある道に出ました。そしてすぐに「名勝岡堰 延命寺」の看板

 延命寺前を歩き、十字路を左折すると小貝川の堤防が現れます。堤防に上がる階段の手前には、茨城百景「岡堰」(^^)。

【バス停「妙見八幡入口」】
 バスの路線としては岡堰には行かないため、最も近いであろうバス停で下ろしていただきます。


【農作業のおかあさん】
 運転手さんに教えてもらった通り、バス停から歩き始めます。

【県道251号に合流】
 大通り(県道)に出ました。ここは今年4月来た時に通った道です(^^)。


【延命寺の看板】
 県道251号を歩いていくと、延命寺の看板があり、「名勝 岡堰」の文字も見えます。

【角田屋酒店】
 延命寺から岡堰に行く途中の交差点近くにある酒屋さん。飲み物を調達していきます。


【茨城百景 岡堰】
 取手市“岡”にある“堰(=小規模のダム)”だから、「岡堰」と呼ばれています。茨城百景制定当時(昭和25年)の旧・岡堰はすでに撤去されてしまい、現在の岡堰は新築されたものです。


■干上がった小貝川と岡堰
 堤防の階段を上り歩いていくと、目の前に一部分が干上がった小貝川離れ小島が見えました!。

 なみなみと水が流れている光景を知っているだけに、干上がっている小貝川を見ると、心からw(゜O゜)wオーと言ってしまいます(^^;)。昨日は台風の関係で雨が降り、見た目少し干上がった部分が湿っています。。足を踏み入れて、底なし沼だったら怖いので、慎重に小貝川の敷地に体重をかけます。すると、干上がった敷地は意外としっかりしており、普通に歩くことができます(^^)。

【階段を上る】
 堤防部分を上ります。この先が小貝川。


【干上がった小貝川と岡堰】
 なみなみと流れていた小貝川でしたが、農業用水の利用が終わるこの時期は、流れる水を少なく調整しているようです。おかげで4月の時点では行けなかった中州の島に行くことができます(^^)。

 歩くコースを慎重に選びながら、離れ小島を目指します。


【小貝川に下りる】
 一部はぬかるんでいますが、普通に歩くことのできる土質です。

【オナモミ】
 ズボンや靴下にくっつく、とげとげの実。あたり一面に生えています。


■岡堰の離れ小島と林蔵先生の像
この離れ小島、春先から夏以降まで人が踏み入れることが無く、草が思いっきり生えるそうです。それが今回は刈り取った後とのことで、普通に島の上を歩くことができます。

 島の上でまず目に付くのは、旧・岡堰の設備を一部残した、巨大な(せき)。

 本来であれば、川全体をさえぎるように存在する堰ですが、新・岡堰が完成した今、旧・岡堰は不要になり、撤去されました。しかし、全部を撤去することなく、一部の堰を保存し現在に至ります。

 の鉄板部分は動かそうと思えば今にも動きそうですが、おそらく錆びてしまっていて動かないことでしょう。。歩道部分も残されており、カット跡も見受けられます。

【旧・岡堰の一部】
 島の上には、新・岡堰よりも以前に使われていた旧・岡堰の一部が残されています。

 すぐ隣には「岡堰改築記念之碑」
 さらに隣には、レンガの塊があります。こちらは「岡洗堰」の一部のようです。
 「茨城新聞社 河川百選」の碑


【カット面】
 旧・岡堰の歩道部分。もともとは同じようなつくりで両岸まで続いていたのを取り除いたようです。

【「岡堰改築記念之碑」】
 昭和39年4月に建立された記述があります。


【岡洗堰のレンガ塊】
 「昭和35年3月竣工」、「岡洗堰」、「小貝川」の文字が彫られた石が地面に埋め込まれています。

【「澄んだ水 郷土の顔です 誇りです」】
 『茨城新聞創刊100周年記念キャンペーン「茨城の水を考える」入選標語』の碑。


 間宮林蔵先生の像。土台の横の文面を読むと、この像は平成元年に設置されたようです。

【間宮林蔵先生の像】
 探検家であり、測量家でもあった間宮林蔵先生。林蔵先生幼少の頃、小貝川の水をせき止める工事がありました。当時の役人たちは水をせき止めることができずに苦慮していたところ、林蔵先生がアドバイスすることで解決。その力量を見込まれ、江戸に出ることになりました。


 隣の碑は「昭和4年4月」に建立された旨の文字がうっすらと確認できます・・・。

 時刻は15時30分になろうというところ。本日はさらに間宮林蔵記念館に訪問する予定です。新・岡堰小貝川を横断します。

 堤防まで戻る途中、アマガエルイナゴを発見、捕まえます。アマガエルは牛久沼訪問の時に捕まえているので、それほど懐かしさはありません。それよりもイナゴ!(><)。イナゴを触るなんて小学生以来のはずだから、15年以上ぶりの再会です!!(≧▽≦)。こうして見ると、イナゴもかわいいものですにゃ〜(´-ω-`)。

【「間宮倫蔵先生發祥地」】
 林蔵先生の像の左側にある碑。裏側には「昭和4年4月」の文字がうっすらと。


【アマガエル】
 かえるの手足がぺたぺたして、KOUJINN(旅人)の手に貼りつきます(^^;)。

【イナゴ】
 捕まると意外におとなしい、イナゴちゃん。昔は野原にたくさんいたのに、今では絶滅種。。


■伊奈町下平柳、中平柳、上平柳の風景
 新・岡堰を渡り、小貝川沿いの道を歩いていきます。一応、間宮林蔵記念館までの地図は持参しています。気持ちアバウトな地図なので、微妙に道取りを間違えながらも、20分ほどかけて記念館に到着します(^^;)。

 道中には「樋管(ひかん)」や、いくつもの碑を発見します。時間が無いので、あまりくわしく読むことができません・・・。

【新・岡堰】
 さて、小貝川の離れ小島の散策を終え、新・岡堰で反対側に回ってみます。


【小貝川沿いにある樋管(ひかん)】
 田んぼの過剰分の水を、川(小貝川)へ押し戻す役割を担う“樋管”。あたりにいくつかあります。

【川沿いから街中(集落)に入ります】
 持参した地図によると、間宮林蔵記念館は、右手の集落の中にあるようです。


【伊奈町の碑 その1】
 形の変わった碑が街中に残ります。

【伊奈町の碑 その2】
 住宅の計画も“碑ありき”で進められています。


【「科学博記念銘菓 林蔵最中」の看板】
 間宮林蔵生家に行く途中には、「科学博」(=正式名称「科学万博-つくば’85」)の名称が使われた看板がひっそりと建てられています。これって、万博の遺構ですよね(??)。


■間宮林蔵記念館と間宮林蔵生家
 16時10分頃、間宮林蔵記念館に到着です。

 閉館時間は16時30分。閉館時間まで、あと20分しかありません。。入館は無料。しかし、帳面に記名の必要がありますので、記名します。館内は撮影禁止。100円でパンフレットの販売をしているので、購入します。展示物をじっくりと拝見する時間が無くて残念ですが、パンフレットにほぼ掲載されているようなので、館内の雰囲気だけを精一杯吸収するように努力します。

【間宮林蔵記念館】
 到着しましたが、閉館時間まであとわずか。

 「伊奈のむかし」(1000円)という本が受付で売られています。要領よくまとまっているようなので購入。
 閉館3分くらい前に記念館を出て、敷地内にある間宮林蔵生家を撮影します。


【間宮林蔵生家】
 間宮林蔵記念館の敷地内に併設されている、「間宮林蔵生家」。本当は近隣の異なる場所に建てられていましたが、こちらに移設されました。


■専称寺と林蔵先生の生前墓
 200mほど行った先に専称寺があり、そこに間宮林蔵先生樺太探索の前に建てたというお墓があるので行ってみます。

 おおきな顕彰碑があり、その後に、ぽつんとちいさな石があります。どうやらこの小さな石が、間宮林蔵先生のお墓のようです。立派な業績を残した先生ですが、当時としては身に応じた大きさで建立したのでしょう・・・。

【専称寺】
 林蔵先生生家から200mほど歩いた先に、専称寺があります。


【顕彰碑(間宮先生埋骨之處)】
 明治37年(1904)に正五位の贈位を受けた後、明治43年志賀重昂らの仲介で建立。

【専称寺 本堂】
 林蔵先生幼少の頃、当時の専称寺住職伯栄和尚に学びました。勉学と遊びの場でした。


【間宮林蔵先生の墓(左)】
 文化4年(1807)樺太探検に行く前に、「もう生きては帰れないかもしれない」と決死の思いで林蔵先生自身の手によって作られた“生前墓”。右手は、林蔵先生の両親のお墓です。いずれのお墓も、昭和30年の堤防改修時に、小貝川寄りから移設されました。


■伊奈町の中を帰る
 時間は16時50分になろうとしています。
 そろそろ帰りたい時間です。秋の空なので、すでに日が暮れかかろうとしています。

 ここで帰る方法の選択・・・。
 本日来る時に利用した、関東鉄道の稲戸井駅に戻るか、それとも伊奈町の商業の中心地にあるという、バス停「南谷井田」まで行くか・・・。

 “己の感”を信じ、バス停谷井田を目指すことにします。

【伊奈町の日暮れ】
 広大な関東平野に夕日が沈みます。

 思っているより距離のある田園の中を、歩いていきます。

 地元の方々と、すれ違ったりします。地域がある程度「田舎」だと、すれ違いさまに挨拶をするのですが、伊奈町は微妙に都会の雰囲気を持っており、地元の方は挨拶をしてきません。。こちらからあいさつしてシカトされても恥ずかしいので、モジモジしてしまいます(-ω-*)モジモジ。

 教習所の脇を歩き、小学校の脇を歩きます。小学校の敷地林蔵先生の銅像があります。

【伊奈町谷井田市街地へ向かう】
 伊奈町の商業中心地方面に歩き始めます。土地勘が無いので、ある瞬のカケです。

 大通りに出ると、バス停を発見します。このバス路線は、ほとんどの時間帯、1時間に3本のバスがあります(^^)。これが分かっていたら、最初から取手駅からバスで来れば良かったと反省してしまいます(^^;)。

 小腹が空いたので、近くにあるカスミで調理パンとドリンクを購入。軽くいただきます。
 バスに乗車。取手駅を目指します。関東鉄道のバスですが、道が悪いのか運転手の腕が悪いのか、ガンガンバスは揺れます(==)。40分ほどで取手駅東口に到着です。

【カスミ 伊奈町谷井田】
 調理パンとドリンクを購入し、腹ごしらえ♪。

 時間は18時を過ぎています。取手駅の西口にまわり、松屋ギュウ・カレ(500円)を注文。


(この項おしまい)
 
Indexにもどる
TOPにもどる

取材・掲載 お問い合わせ
更新日 2006/06/27
2006年6月27日 UP

関連リンク
小貝川 岡堰と守谷城址(20050423)
岩井将門まつり2004(20041114)


 
【サイト紹介】茨城県土浦市で生まれ、すぐに県外で育ちました。「故郷は遠きにありて思うもの」とは言いますが、歳を取れば取るほど故郷への愛着は深まるばかり。1985年(昭和60年)3月17日から9月16日まで茨城県筑波研究学園都市にて開催された『国際科学技術博覧会(通称:科学万博-つくば’85)』〔EXPO'85〕の思い出を皮切りに、幼い頃よく連れて行ってもらった土浦駅を中心に活動の場を広げます。サイト開催当初は茨城県県南地域(土浦市・つくば市)を中心に活動を広げていましたが、現在では県央、県北、県西、鹿行と活動の幅を広げています。時には茨城県を飛び越え、常磐線つながりで「常磐線旧トンネル(廃トンネル)」を福島県まで求めたり、廃線となった筑波鉄道を散策したり。日立電鉄廃線の時には、最終列車に乗ったりします。祭り好き、花火好き、山車好き。茨城県の第一人者になるべく、足を使った泥臭い取材を心がけていく、「いばらき だいすき」なサイトです。将来の夢は茨城県で一花、いや、たくさんの咲かせること。故郷に錦を飾る予定です。

TOP blog 豆日刊茨城 ぶらり茨城 いばらき りぽーと 雑記 リンク集

Presented by KAS.
Since 2001/11/14